黄斑円孔
網膜は眼の一番奥の視神経の集まっている組織で、光を感じ取る役割を果たしています。その網膜の中に黄斑と呼ばれる、見ているところ(固視点)からの光が当たる部位があります。正常眼の場合、視力検査はこの部分の矯正視力を調べます。黄斑円孔は、この黄斑部の網膜に穴が開いてしまう病気です。
黄斑円孔の主な原因
黄斑円孔の原因は、眼の老化(加齢による硝子体の変性)が主な原因です。網膜と硝子体が接する部分を硝子体皮質といいますが、網膜と硝子体皮質は中心部と周辺部で強く接着しているため、引っ張る力が加わり、黄斑部網膜に亀裂が入り、黄斑円孔ができると考えられています。
黄斑円孔の主な自覚症状
中心部に穴が開くので、見ているものの中心が欠けて見える、ものが歪んで見える等の症状が現れます。
黄斑円孔の主な検査方法
網膜の状態を詳しく調べるために、眼底検査を行います。眼底検査は瞳孔を開く散瞳薬を点眼してから行います。散瞳後は、光が眩しく感じる状態が3~6時間程度続きますので、検査直後は車の運転などはできませんが、時間の経過とともに自然に元の状態に戻ります。また、近赤外線を利用した眼底の検査機器であるOCT(光干渉断層計)による検査は、今まで行えなかった網膜の断面を観察することができます。この検査によって、網膜疾患、黄斑部病変の精密な診断を行うことができるようになりました。
黄斑円孔の主な治療方法
黄斑円孔の治療方法としては、硝子体手術があります。硝子体手術の流れは以下のようになります。
硝子体を取り除きます。
眼球に3つの小さな穴を開け、硝子体カッターで硝子体を取り除きます。
黄斑周囲の膜を除去します。
黄斑の周りに付着している薄い膜を除去します。
レーザーで凝固させます。
網膜の他の部分に裂け目がある場合は、レーザー凝固を行います。
ガスを注入して手術終了
目の中に空気や膨張性のガスを注入します。気体の膨らむ力を利用して円孔が閉じるように、手術後は約1週間うつぶせの姿勢で過ごす必要があります。ガスは自然に吸収され、眼内に分泌される房水と置き換わります。
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