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ICL手術後の視力や見え方について

ICL手術は、角膜を削らない手術として知られています。角膜を削らないことで多くのメリットを得ることができますので、ICL手術を受ける人が増えてきています。角膜を削らないICL手術は手術後の不正乱視(高次収差)が増加しにくい特徴があるので、鮮明でクリアな視界が期待できることが人気の理由のひとつです。角膜を削って視力を回復するレーシックと比較されることが多いと思いますが、レーシックも安全性の高い視力回復手術ですので、実際にはどちらを選んでも問題はありません。ただ、術式よって適応基準に違いがありますので、最終的には詳しい検査結果をもとに、自分の目に適した視力回復手術を選択することがベストです。ここでは、皆さんが気になるICL手術後の見え方について解説していきたいと思います。

ICL手術はどのくらい視力が回復するの?

ICL手術後の視力や見え方について

ICL手術を受ける前には手術に向けた詳細な検査が必要です。検査の結果、眼に病気などが認められず、手術が適応と診断されれば視力を回復できるチャンスが巡ってきたことになります。では、ICL手術を受けるとどのくらい視力が回復するのでしょうか?その目安の1つとしては、コンタクトレンズや眼鏡で矯正できるレベルになります。もちろん乱視も改善することができますので、心配はいりません。ただ、使用しているコンタクトレンズや眼鏡の度数が合ってないケースも見受けられますので、手術の方が矯正する精度が高い傾向にあります。また、視力検査では、どの程度まで視力が回復できるかを検査することができます。このくらいの度数を入れれば、このレベルまで視力が矯正できるといったところまで確認しますので、健康診断や免許更新で行う視力検査とはレベルが違います。当院では、国家資格を持った視能訓練士が検査を担当しますので、適応検査においても精度の高い検査を提供しています。

ICL手術後の見え方について

ICL手術は、眼の中にレンズを挿入して視力を回復させる手術になりますので、手術後に不正乱視が増加しにくいというメリットがあります。不正乱視とは、眼鏡やコンタクトレンズでは矯正できない微細な乱視で、見え方の質を低下させる原因になります。そのため、角膜を削らないICL手術はクリアで鮮明な視界が期待できるという訳です。

ICLとレーシックでは手術後の見え方に違いはあるの?

角膜を削って視力を回復させるレーシックは、手術後に不正乱視が増加するという課題がありました。そのため、角膜を削らないICL手術の人気に押され気味で、レーシックよりもICLを選ぶ人が増えてきています。日本では、30年も前に発売されたレーザーが今も稼働していますので、そういったレーザーでは矯正精度が低くなってしまいます。古いレーザーでも最新機種のように紹介されているホームページを目にすることもありますので、そういった状況がレーシックの印象を悪くしているのかもしれません。
また、最近はICL手術を受けられるクリニックも増えてきましたので、ICLとレーシックの見え方を比較しているホームページを目にすることがあります。比較されている写真を見ると、見え方にすごい格差があると感じることがありますが、正直に言ってあんなに見え方に大きな差はありません。最新のレーザーには不正乱視を増加させない照射プログラムが搭載されていますので、レーシック手術も見え方の質を追求した視力回復手術に進化しています。ICL手術しか行っていないクリニックは、レーシックよりもICLのほうが優れているという偏った情報を発信していることもあります。矯正できる視力のレベルに差はありませんし、レーシック手術も見え方の質が高くなっていますので、ネット上で見受けられるほど両者の見え方に大きな格差はありません。

ICLとレーシックのどっちを選べばいい?

ICLとレーシックでは手術の方法が違います。ICL手術しか行っていないクリニックは、ICLを宣伝するために「角膜を削ることに抵抗がある」といったフレーズを多用していますが、「目の中にレンズを挿入することに抵抗がある」という人も大勢います。そういった方は、レーシック手術を選択されています。手術に向けた適応検査を受けていただくと、結果的に以下の4つに区分けすることができます。

・レーシックもICLも手術が適応な方
・レーシックは受けられるがICLは不適応の方
・ICLは受けられるがレーシックは不適応の方
・レーシックもICLも手術が不適応の方
当院はICL手術もレーシック手術も行っています

ICL手術は目の中のスペースが狭いと手術が受けられない場合があり、レーシック手術は角膜の厚さが足りないと手術を受けることができません。また、何らかの目の病気が見つかった場合はレーシックもICLも受けられないことがあります。では、レーシックもICLも手術が適応になった場合は、どっちを選べばいいのでしょうか?まずは、できるだけ目の状態に適した術式を選択することを優先します。近視や乱視の度数が強いようであれば、ICL手術を選択したほうが適切かもしれませんし、角膜の厚さが十分であればレーシックを選択しても問題ありません。次は、患者様自身が持っている手術へのイメージになりますが、
「角膜を削ることに抵抗がある人」はICL手術、「目の中にレンズを挿入することに抵抗がある人」はレーシック手術を選択して問題ありません。当院は、ICL手術もレーシック手術も行っていますので、術式で悩んでいる人はぜひ当院にご相談ください。

まとめ

ICL手術やレーシック手術といった視力回復手術を受けるためには、先に詳しい目の検査を受けていただき、その検査結果をもとに手術の適応を診断します。この検査で、視力の改善がどの程度まで期待できるかまで解りますので、手術後の視力をある程度予測することができます。見え方の質については、角膜を削らないICLの方が理論上は優れていると思いますが、実際の結果で大きな格差がある訳ではありません。最新のレーザー機器であれば、レ-シックを選んでもきちんと視力は改善しますので、あまり先入観にとらわれ過ぎず、自分の目に適した術式を選択することがベストな選択になると思います。

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監修者

冨田実
冨田実
冨田実アイクリニック銀座院長
医療法人社団 実直会 理事長
医学博士/日本眼科学会認定眼科専門医
アメリカ眼科学会役員
温州医科大学眼科 眼科客員教授
河北省医科大学 眼科客員教授